僕が「コンサルタント」をキライなわけ:
「評論」「分析」と、「経営する」は、別モノです。

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じつは、僕は、「コンサルタント」という人種がキライです。どうにも苦手。

どのくらいキライかというと…。

以前、HOPEを設立したときは、「HOPEハンズオンコンサルタント」という社名だったが、「コンサルタント」にインチキの人が多いことに気づき、そんな連中と自分が勘違いされるのが嫌で、わざわざ、いまの「HOPEハンズオンマネジメント」という社名にしたぐらい。

当時、「コンサルタント」という人達の多くが、いかにインチキで、いかに優秀でないか!を知って幻滅したのでした。

もちろん、本当に優秀な方々もいるのだけど…。

まあでも、そういう方達が、中小企業の世界に登場することは少ないので、実際には、優秀でないコンサルタントのほうがほとんど。

「コンサルタント」なんてインチキだ!とおもう最大の理由。

それは、原理原則とか、生半可な知識をふりまわすだけで、困難をいかに「突破」するか、現実の戦い方を指南しないから。
単なる「分析」「評論」、「口だけ」なら、MBAの学生でもできる。

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「コンサルタント」と、「経営する」のちがいはなにか。

たとえば、キャッシュプアで倒産しそうな会社があったとします。
原因は、在庫過多と、それがもたらす負債過多にあるのだが、当事者たちはそこに気がついてない…とする。

こういう場合、まずそもそも、「キャッシュプアの原因は、在庫過多だ!」という「病気」を発見せねばなりません。

ここまでは、銀行マンだとか、「コンサルタント」の人も、まあできる。
いろいろ財務比率やら、在庫回転を同業他社と比較したりして、紙の情報だけで十分だ。

つぎに、「在庫過多」をどう解消するか、「病因」とその「処方箋」を考えないといけないのだが、この段階から、「コンサルタント」の人達はどうもアヤシクなる。

あるITコンサルは、「システムがいけないんです!」という。
「在庫内容を、リアルタイムに把握できるシステムを構築すれば、御社の問題は解決します」

あるコンサルは、「SCM(サプライチェーンマネジメント)がいけないんです!」という。
「サプライチェーン上の在庫をリアルタイムに把握できるシステムを構築すれば…」、あとはITコンサル氏と以下同じ。
「サプライチェーン」という耳なれぬ言葉で、たいていの社長さんはノックアウト、ダマされてしまう。

ある人事コンサルは、「部門間の情報共有ができていないのでは?」とかいう。
「わたくしどものプログラムで、御社の社員は、力強いチームに生まれ変わります!」
…「社員が生まれ変わる」、この言葉にも、社長さんは弱い。なにをもって社員が「変わった」のか、誰にもわかりっこないのに。

そういうわけで、社長さんは、コンサルめぐりをつづけることになる。
でも、どのコンサルも、問題を解決できない。
そうこうしている間に、へたしたら、会社は潰れてしまう。そんなケースを沢山みてきた。

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ちなみに、このケースでの答えは、「在庫過多の原因は、百社百様、ケースバイケース」が正解。

経験からいえば、「在庫には、あらゆる『経営の失敗』があらわれる」。
その失敗は、百社百様。

いろんな原因がありうるのだから、コンサルタントのように、最初から自分の提供サービスを定型化している人種に、解決できるわけがない。

もっとも、やはり経験からいえば、「在庫過多」の原因はたいてい、「業界での力関係」か、「調達までのリードタイム」の二つのどちらかが、原因になっているケースが圧倒的だ。

力関係が弱いと、どんな業界であれ、在庫を抱える立場になる。
また、季節性食品のように、「再調達までの時間」が長いと、どうしたって在庫を持たざるを得ない、からだ。

こういう本質的な原因にくわえて、さらに、その会社が、需要と供給を正確に予測してないとか、マーケティングがどんぶり勘定だとか、システムの問題だとか、組織の問題・・・モロモロがくみあわさると、「在庫過多」という病状を招いてしまうのだ。

だから、それって、コンサルタントのように、特定の分野の知見だけを、会社にあてはめるようなスタイルだと、そうした「複合病」みたいなものに、打つ手がないのだ。

僕のように、「実際に経営する」スタイルだと、いろんな分野の知見を、上手にバランスよく組み合わせながら、「処方箋」を打つ、というスタイルになるので、結果的に、病状が解決していきやすい。

…まあ、それでも、再建ターンアラウンド・社長プロフェッショナルって、コンサルタントと、なんかごっちゃにされがちなんですが…。
まあいいや。 とにかく、右斜め45度を向いて、今日も頑張るデシ。

HOPEキャピタル 河﨑晋太郎
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